5代目代表取締役社長 中西一貴の決断

その企業のスローガンは「人と機械の調和を求めて」だ。

人の人との繋がり“人情”と、その人たちが醸し出す“調和”(ハーモニー)を大切に、従業員からの絶大な信頼を得ている中西一貴は広島県尾道市向島町の創業80年を超える『向島造機株式会社』という従業員40名ほどの企業の5代目代表取締役社長だ。

この会社は規模こそ小企業の分類に入るのだが、タンカーなどの船舶の修繕や製鉄所に装置などを納入する、あまり一般的ではない事業を展開している。

近年日本全国で共通して言われている産業の大きな問題のひとつに『人材不足』がある。

向島造機5代目社長の中西も例に漏れずこの問題に悩まされていた。特に造船業や機械製作の事業はいわゆる『3K産業』とも揶揄され若い人材に背を向けられるのはいまや当たり前とも呼べる状態であった。高校、大学に新卒の求人活動へ行こうが、求人サイトでお金や時間を割き中途採用活動を行おうが実績が出せない日々。時間は経過し焦りは募るばかりの日々を送っていた。

今回はそんな辟易していた日々の中、ある 1本の電話が中西の心の舵を大きく切らせ、そこから会社全体に起こった大きな変化にまつわるストーリーをお伝えする。


それはある1本の営業電話だった


高校、大学への“求人活動”が軌道に乗らないのはそれなりの理由があった。”毎年コンスタントに採用が出来ない”中小企業の悩みの原因の大半はこれである。

学校側としては毎年コンスタントに求人をくれる企業に優先的に生徒を紹介する。

それが当然の話と中西は半ば諦めがちに今年も求人活動にあたっていた。しかし、それで完結をすれば企業としてなりたたない。こんな恒常的な悩みの中で、ある日1本の電話が鳴った。

「わたくし、WORLDiと申しまして⋯」少し自信が無さそうな聴き取り難い声に中西は不快感を抱き訝しく思い乍らも何故か耳を傾けた。

その声は「外国籍の正社員の紹介をしている会社です。」と続け、「是非お付き合いをさせていただきたいのです。」と言った。中西は長年、採用をするなら地元の日本人と公言をしており、外国籍の人の採用は考えていなかった。しかし、あるキーワードが引っ掛かった。それは「外国籍の長期雇用を目指したパッション採用」というワードだ。

その当時“外国籍の社員の雇用”に対してもっていたイメージはこうだ。

“長期は無理だろう。短期で母国に帰ってしまう。”

“言葉のコミュニケーションが大変そう。日本文化になじめなそう。”

“安全面で大丈夫?”

など、はっきり言ってネガティブなイメージしか湧いてこなかったが、ひょんなことからこの電話をうける2ヵ月前経営者である友人たちと”どうあがいても、今後日本人採用は充分に行えない”類の議論を交わし心が揺らいでおり、外国人材の受け入れを実施している知人の経営者からの意見を聴いて、具体的では無いにしても考え始めていた時でもあったのだ。

この電話はまだ意思が固まっていない時期で、急な申し出だったこともあり「いきなりお付き合いと言っても、会ってもないのにそんなことはできないよね。」と中西がお断りの意味も込めて返答すると、この電話の人物は「必ずスケジュールを優先的に調整しますので、どうかご面会をさせていただく時間をください。」と中西の次の言葉が出るのを静止する勢いで言った。そう、このWORLDiの担当者はまだ会ったことがないにも関わらず、電話越しからも伝わるほど

“超、誠実”な人物なのだ。

結果1週間後の向島造機の応接室にWORLDiの代表取締役を務める斎木氏の姿があった。その行動の早さ、若さで意気込む姿勢、そしてそれが、WORLDiの社長にて起業家だということに、中西と同席した総務課長の吉本は驚いたと言う。ただ、中西も吉本も外国籍社員の採用には極めて懐疑的であった。

そんな2人の心配をよそに、斎木は話を始めた。

「私が今回御社に紹介をさせていただくのはベトナムの方々です。ベトナムの人たちは”やる気”と”向上心に溢れた人たちで、弊社独自で展開しているパッション採用という制度を用いて責任を持って紹介させていただきます。」

『やる気と向上心』。向島造機のウェブサイトで公言しているそれと合致をしていた。そしてこの言葉が契機となり中西も吉本も外国人採用を視野に入れ始めた時期とマッチしたこと、何より初めての電話の後、あまり日を空けず訪問してきたことで信用という灯りが点って、話し合いは順調に進んだ。

数日後、早速WORLDiより候補者の履歴書と職務経歴書が届く。

総務課長の吉本は丁寧に一枚一枚目を通す。そして中西もこう思った。

“学歴も職務経歴も悪くない、というかそこらの日本人より優秀だ、でも・・・。”

そう、中西に限らず多くの日本企業にとって外国人を正社員として雇うということは不安が大半をしめ、みんな中西同様この、“でも”・・・に戻ってきてしまう。

“日本語は大丈夫?仕事や資料の説明を理解できる?“

“長く働ける?”

“そもそも日本になじめるの?”

 など不安は尽きない。

しかし、もともと「人との出会い」や「つながり」、「縁」を大切に思う中西は「でも・・・」で終わらなかった。まずは彼らを知ってみよう。候補者の中から話してみたいと思った数人を選び担当に連絡をした。

ベトナム人 チュンさんとの出会い



面接

世の中、新型コロナウイルス感染症でオンラインでの一時面接であり、全員お世辞にも充分とはいえない日本語ではあったが、一生懸命自分の意思を伝えようと頑張っている姿に心が熱くなった。さらに候補者を絞り、1週間後WORLDiが掲げる「バッション採用」に沿って、最終候補者を2日間のインターンシップを行うため向島に招いた。それが青年”ブイ・ジャ・チュン”との出会いである。

このWORLDiが掲げるパッション採用とはWORLDiが企業に推薦する候補者選定の段階で、候補者の相手企業への熱量を妥協無く量り初期段階でのミスマッチを防ぐところから始まる。そしてインターンシップを行い、雇い、雇われる側のギャップを0にして始めて成立する方法であり、この他社にはない周到な手順がお互いの信用を育んでいくことになる。



インターンシップにて

インターンシップ当日の朝、チュンさんは恥ずかしそうに“これつまらないものですが・・”と言ってお土産を差し出してきたその姿に中西は衝撃をうけたと話す。今この日本でそれが出来る若者が一体どのくらいいるだろうか?一昔前の若者に久方ぶりに接した想いがした。インターンシップが始まりまず驚いたこと、それは“チュンさんは非常にまじめで、何事も学びたい”という姿に溢れていた点だ。

インターンシップで向島造機産業機械部の部長である神田と次長である藤谷は、青年”ブイ・ジャ・チュン”の物怖じをせず、何にでも食い入るような姿勢、そしてあまりにも真っ直ぐな態度に驚愕をした。また、コミュニケーションに対しても礼儀正しくしっかり言葉を選ぼうとしている真摯な行動に心から関心した。技術面に関しては、当然即戦力としては充分なものとはいえないが、かなり元々の知識があり、設計業務に必要とされる数学的要素に関しての知識は全く問題がなく、2人ともこの姿勢であれば、今後様々な要求に対して乗り越え吸収していくと確信にも似たものを抱いた。

そして採用

インターンシップを終えた翌日、社内では初めての外国人採用に慎重になりつつ充分な議論を交わす時間が設けられた。その時中西は全員の前で静かに

「今回の判断は我が社にとって初めてのことで冒険ある。しかし”縁”があっての出会いであるから、インターンシップにきてくれた”チュンさん”のひたむきさ、そして紹介してくれたWORLDiさんの熱意を汲んで賭けてみようと思う。」

もちろん、その言葉に反対する者はだれ一人いなかった。


まとめ

WORLDiが行う「パッション採用」が外国籍社員の長期雇用につながる最大の理由は、双方が“納得”した上でいう点だと考える。経営者として重大な決断を下す瞬間は山ほどあるが、「WORLDiのパッション採用」を通じて日本人ではない社員を雇うというのは、なかなかチャレンジングな挑戦だったと中西は話す。パッション採用の魅力はもとよりWORLDi斎木の誠実で丁寧な対応がなければなしえなかったとも教えてくれた。

5代目代表取締役社長 中西一貴は言う

「あのね、歴代の社長がその役職になったのはそれぞれに理由があると思うんよ。使命っていうんかな。創業者と二代目はこの地域に根付かせること。三代目の僕の親父や四代目は社業を発展させること。そして僕は僕が社長になった理由は会社を大きくするのではなく、どんな会社にでもある、長い歴史において出来た歪を修正しながら、みんなの生活を良くする手伝いをして次の代に渡すこと」だと。

そして、その企業の成長過程の一つに“外国人採用”があり“また新しい人との出会いがあり、それらは正に”企業者“としての冒険だと。

この成功例を通して、今日も向島造機株式会社では次のインターンシップが続いていく。

それを前回に増す温かい眼差しで見守る中西や社員の姿がそこにはある。


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インタビュー協力会社
向島造機株式会社
代表取締役 中西 一貴
専務取締役 中西 俊文
総務部長 植田 雄二
総務課長 吉本 雅哉

編集及び作成会社
WORLD for all / すべての人に海外を
株式会社WORLDi
代表取締役 斎木 伶生名
取締役 斉藤 祐介
キャリアアドバイザー 弓削 裕子

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